書籍・雑誌

2008年4月 2日 (水)

『Sports Graphic Number』700号

表紙:イチロー(野球/シアトル マリナーズ)
特集:運命をめぐる物語 特別な一日。

 700号記念ノンフィクション特集と銘打って、アスリートにとっての特別な一日を特集しています。列記すると以下のとおりです。
○イチロー:'07.09.29・首位打者の可能性がなくなって涙を流した日
○三浦知良(サッカー/横浜FC):'98.06.05・フランスW杯落選の日
○山井大介(野球/中日ドラゴンズ):'07.11.01・日本選手権優勝決定試合で8回まで完全試合も降板した日
○安藤美姫(フィギュアスケート/トヨタ自動車):'07.03.24・世界選手権で優勝を飾った日
○武豊(JRA騎手):'06.12.24・ディープインパクトの引退レースである有馬記念で優勝した日
○吉田沙保里(レスリング/綜合警備保障)&山本聖子:'04.02.24・アテネ五輪代表を決するクイーンズ杯決勝の日
○中田英寿(サッカー):'01.05.06・中田所属のローマがユベントスを破り優勝をほぼ決めた日
○辰吉丈一郎(ボクシング/大阪帝拳ジム)&薬師寺保栄(松田ジム):'94.12.04・WBC世界バンタム級タイトル戦の日
 それぞれ感慨深いエピソードですが、今シーズン振るわなかった安藤美姫をピックアップしたのは、小生にとってはヒットでした。

 特集ではほかに、中綴じ形式で「ナンバーに刻まれた700の名言。」がまとめられていて、同様にナンバーの名言をとりあげている小生にはおもしろく感じました。

今号の名文
○カズがメンバーを外されるまで、日本サッカー協会には、「カズを外せ」というファックスが大量に送られてきていたという。しかし、この成田での会見をきっかけに、「なぜ外した」というファックスが来るようになり、ワールドカップで3連敗したあとには、その声が一層増えていた。
 文:一志治夫
○安藤は、ときに激しく熱い。安易に関われば火傷をする。だが、一方で、彼女は砂糖菓子のように脆弱だ。柔らかに触れないと崩れてしまう。とにかくアンバランスで、一筋縄ではいかないのである。>安藤美姫は、だから人を惹きつける。
 文:宇都宮直子

今号の名言
○「オレってどういう人間なんだろう。選択した道は正しい。でも、完全試合を途中で降りるなんて。しかも自分で申し出て。考えれば考えるほどわからなくなりました」
 '07年の日本シリーズについて 山井大介 文:阿部珠樹

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2008年4月 1日 (火)

『BICYCLE NAVI』MARCH '08 (No.29)

表紙:十万円札を持つ美女と男(イラスト:Shu-Thang Grafix)
特集:アンダー10万円ではじめる自転車生活

 特集は、クロスバイク1台とウエアやグッズをあわせて、10万円で自転車生活を始めよう、という趣旨です。自転車だけでなく、ヘルメット、ライト、グローブなどの小物なども載っており、乗る目的に応じて、なにを揃えればいいかがわかります。

 冬向けの商品の小特集では、ジャケットや、肌や体の冷えについてのアイテムが掲載され、参考になります。個人的にはニットジャージが気になりました。

 そのほか、「疋田智の自転車多事争論」では、TBSのデスクである筆者が、フジテレビのニュース番組の、この6月の自転車に関する道路交通法改正についての報道に対して、抗議したことが記されています。特に自転車の右側通行がいかに危険かについては、私も自転車に乗るたびに実感させられていますので、とても共感できました。

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2008年3月10日 (月)

『Sports Graphic Number』699号

表紙:小椋久美子 塩田玲子(バドミントン 三洋電機)
特集:2008年の女子力。

 小椋久美子、塩田玲子、上田桃子(ゴルフ  ソニー)、浅尾美和(ビーチバレー ケイブロス)をはじめとする、女子の美人アスリートについての特集です。ときどきスポーツ界を斜めに見るこういった特集は、あまりツボを外すことが少ないので楽しみなのですが、まったく採りあげられなかった上村愛子(フリースタイルスキー 北野建設)が、出版直後にワールドカップ4連覇でモーグルの種目別総合優勝を遂げたのは、画竜点晴を欠いた感が否めません。
 茂木健一郎(脳科学者)、辛酸なめ子(コラムニスト)、生島淳(スポーツジャーナリスト)の鼎談では、アイドルではなく女子アスリートに清純さを求める、現代の日本人の傾向が明らかにされていて、おもしろく読めました。

 ナンバーノンフィクションでは、Jリーグ2nd div.の愛媛FCを舞台に、レンタル移籍を経て成長する選手たちを小齋秀樹が書いています。選手たちの苦労が伝わってきます。

今号の名文
○「優勝がすべてではないけど、出来なかったことは残念です。もっと準備が必要ですね」>準備。チャンスがめぐってきた時の準備。何が足りなかったのか。>「優勝した時、英語でスピーチする準備です」
 上田桃子がアメリカツアー2戦目、SBSオープンで最終日14番ホールで首位に並びながら、5位に終わったことについて 文:生島淳

今号の名言
○「今、自分が一番気にしているのは、2人とも同時にいいコンディションにすること。これはなかなか難しい。たいてい1人がちょっとよくて、1人がちょっと悪い」
 中島慶(バドミントン日本代表 三洋電機コーチ)文:田桑一
○「収入がないと生活できないですから。でも私が選んだ道。いろんな活動をしながらも結果も出す。卓球に関しては人より頭を使ってるつもりですよ。ない頭を(笑)」
 四元奈生美(東京アート)
○「スポーツ選手と芸能人との大きな違いは、どんなに人気があっても必ず引退するってことですよ。(中略)あらかじめ終焉の時が決められているがゆえの儚さみたいなものが、アスリートの魅力でもあるんでしょうね」
 茂木健一郎 構成:芦部聡

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2008年3月 9日 (日)

『Sports Graphic Number』698号

表紙:岡田武史(サッカー日本代表監督)
特集:新監督の本音を問う 岡田ジャパンに夢はあるか。

 日本代表を率いる岡田武史に焦点を当てています。まず本人へのインタビュー、それから彼に縁のあった人たちへのインタビューを通して、今後の代表の姿を浮き彫りにしています。

今号の名言
○「いま自分がわくわくするようなチームをつくっていく。そして成績を残す。それがサポーター、見る人を幸せにすることだと思う」
 岡田武史 文:藤島大

○「外国人監督の力は認めるんですけど、(通訳が入ることで)1時間で済む練習が1時間半か2時間かかるんですよ。それが無駄な時間じゃないかとずっと思っていたんです」
 談:風間八宏(サッカー解説者・筑波大学監督)

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2008年3月 8日 (土)

『Sports Graphic Number』697号

表紙:中村俊輔(セルティック)
特集:欧州チャンピオンズリーグ ビッグクラブ攻略論。

 中村俊輔所属のセルティックがFCバルセロナと対戦することになり、いかに挑むかを主題に記事が書かれています。結局セルティックはホーム、アウェイとも敗れ去りましたが、ほかのカードではACミランやレアルマドリーが破れ去っており、この特集は先見の明があったようです。
 以前のCL特集は、主題がはっきりしなかったのでおもしろくなかったのですが、最近は対象を絞っているので、そうでもなくなったように思いました。

今号の名文
○4年間で何も変わらなかったジーコがたった1年半で見違えるほど成長したのは、環境が大きく変わったからだ。わたしたち日本人は、ジーコを鍛えられなかったことを反省しなければいけないのだろうか。
 フェネルバフチェを率いて2年目のジーコについて 文:熊崎敬

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2008年3月 7日 (金)

『Sports Graphic Number』696号

表紙:岡田武史
特集:監督力

 岡田武史サッカー日本代表監督をメインに、野球、ラグビー、シンクロナイズドスイミング、競馬調教師といった各分野の監督の指導力をとりあげています。
 特に井村雅代(シンクロナイズドスイミング中国代表ヘッドコーチ)の記事では(文:松原孝臣)、中国を指導することになったいきさつなどが書かれていて興味深かったです。
 ただ前号のラグビー特集に続いて清宮克幸(サントリー サンゴリアス監督)を採りあげるのは、ちょっとくどい気がしますが。

今号の名言
○「みんな優秀だったけど、彼ら(注、歴代日本代表外国人監督)は大会が終われば国へ帰る。代表で取り組んだことに責任を持たなくていい。ボクは失敗しても、日本に住み続けないといけない」
 岡田武史 文:三浦憲太郎
〇「生意気なことを言わせてもらえば、王さんにしても(予選を)日本でやった。長嶋さんも日本でやった。オレらはビジターだ、アウェーだと。その違いはむちゃくちゃデカいと思った」
 星野仙一(野球日本代表監督)文:鷲田康
〇「コーチは何してもいいの。どんなに厳しい練習しても、叱っても、嫌われたって全然問題じゃない。そのかわり、絶対に選手を勝たしてあげること。それだけすればいいの」
 井村雅代(シンクロナイズドスイミング中国代表ヘッドコーチ)文:松原孝臣

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2008年1月23日 (水)

『BICYCLE NAVI』JANUARY '08 (No.28)

表紙:マーカス・フライターグ、ダニエル・フライターグ
特集:スロー&エコな自転車生活。

 副題に「カラダと財布にやさしい快適ジテンシャ生活のススメ。」とあるとおりの内容です。自転車自体が自動車にくらべればエコなのはいうまでもないのですが、エコを意識しながらスローに自転車を楽しもうというコンセプトのようです。
 編集後記にも採りあげられていますが、注目は表紙のフライターグ兄弟でしょう。トラックの幌やテント、自転車のチューブ、自動車のシートベルトを再利用して作られたバッグのブランドは、世に知られています。この雑誌にはフライターグだけでなく、カルトバッグ、デマノ、Kultbagピンザットのリサイクルバッグが掲載されていますが、 この類のバッグは、再利用部分のデザインがひとつひとつ違うので、小生の場合ブランドで選ぶよりは、デザインで購入してしまいました。半年前に購入したカルトバッグが右の写真です。

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2008年1月19日 (土)

『Sports Graphic Number』695号

表紙:早稲田大学ラグビー部
特集:日本ラグビー総力特集 楕円の流儀。

 表題のとおり、社会人、学生、新旧織り交ぜたラグビーの特集です。
 おもしろくまとめていたのが「ラグビースタイル徹底分類」でした。ワールドカップや日本国内で勇名を馳せた、歴代のチームを取りあげているのですが、「長所:努力と才能のマリアージュ・短所:鉄鋼不況に弱い」「長所:爆発すると優勝・短所:爆発しないことも多い」がいつ頃のどのチームのことか、わかるかたもいるのではないでしょうか。
 ただこの特集には不満もあります。ポジション用語がサッカー並みによく出てくるのですが、それをよく覚えていない者には非常に読みづらいのです。WTBだのHOだのポジションの番号だの、専門用語を理解していない者にとっては、興味が半減してしまいます。この雑誌は専門紙ではなくスポーツ総合誌であるはずなので、編集部にはもうひと工夫してもらいたいものです。

 特集以外では「神の子と呼ばれた理由。」(文:中村計)が、田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)の性格がよくわかっておもしろく読めました。

今号の名言
〇「毎試合が勉強っスよ。いちばん印象に残った試合とか、よく聞かれるんですけど、答えられないですもん。勝った試合でも、反省がない試合なんてないですし」
 田中将大 文:中村計

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2007年12月19日 (水)

『Sports Graphic Number』693号

表紙:セスク・ファブレガス(アーセナル)
特集:欧州サッカー・若き支配者たち 新創世記。

 欧州選手権予選が終わったので、そのレビュー中心かと思いきや、むしろアーセナルを中心に欧州で活躍する選手たちを特集していました。
 欧州選手権に関しては、ホームでイタリアに勝てば予選通過だった(負けた)スコットランドと、ボスニア・ヘルツェゴビナに勝てば通過だった(勝った)トルコについて、サポーターを中心に熊崎敬が採りあげています。
 さらにホームでクロアチアに引き分ければ予選を通過できたにもかかわらず敗れた、サッカーの母国イングランドについては、山中忍が記しています。
 選手の記事は若手有望株を中心に扱っていて、おもしろく読めました。

 またクラブワールドカップがらみで、パオロ・マルディーニ(ACミラン)のインタビューが掲載されていました。引退を1年伸ばしても優勝したい、という思いがひしひしと伝わってきました。

 サッカー以外では、塚原直也を採りあげたナンバーノンフィクション(文:矢内由美子)が、偉大な親との葛藤と、彼の体操にかける思いが伝わってきて読み応えがありました。

今号の名言
〇「ジュリー、私は19歳のブッフォンが欲しい。今の姿になる前のブッフォン。若いころの彼を君が探し出して育てたときに、私は世界一のゴールキーパーをこの手に持つことができる。それが君のここでの仕事だ」
 アーセナルGPコーチに就任したジュリー・ペイトンに アーセン・ベンゲル(アーセナル監督)文:田村修一
〇「昨季のCLを制した夜、つまり日本へのパスを手にした夜、僕はすぐにトヨタカップのことを考えた。スクデッドを穫り、翌年のCLを制し、そこで初めて切符を手にする。2年間に及ぶ戦いを経なければいけない、その難しさがトヨタカップの魅力なんだ」
 パオロ・マルディーニ 文:アラン・トネッティ 訳:宮崎隆司

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2007年12月 9日 (日)

『サッカー批評』36号

表紙:Jリーグの選手、監督、サッカ関係者ほか
特集:サッカー誌が書かないJリーグ批評

 特集の前に掲載されていたのが、イビチャ・オシム前日本代表監督と、セルジオ越後のインタビューでした。  オシムへのインタビュー(文:西部謙司)は、これまでの回顧と今後についてでした。もはや彼の手によって選手が選ばれ、起用されることはありませんが、今後彼が「ある程度の目処はついた」と語るメンバーが、岡田武史によってどのように入れ替わるか、注目したいと思います。
 セルジオ越後へのインタビューは(文:宇都宮徹壱)筆者も「こちらは防戦一方」と書いているとおり、彼の意見を一方的に聞かされる内容でしたが、彼が「J1リーグのクラブの数、4チーム減らしてみてください。いい選手はみんなJ1に来るよ。レベル上がるよね」という意見は、傾聴に値すると思います。2010年までにJリーグを36チームにする目標のようですが、18×2よりは14+12+10のほうがまだ、切磋琢磨できそうに思えるのです。

 ところで特集の中で、同じ筆者に鬼武健二Jリーグチェアマンが「16チームになったから面白いゲームが増えるというわけでもない。むしろ18でそれをやらないと。18や16ではなくて、もしかして14のほうがいいという意見が出てくるかもしれない」と言っているのも触れておきます。
 この特集の中では、いま旬になった人物やクラブの記事が目につきました。J1で優勝したクラブの「鹿島アントラーズの苦悩」(文:元川悦子)と、入れ替え戦で昇格を決めた京都サンガFCの監督の「加藤久からのメッセージ」です。鹿島が今季優勝するに至る過程、加藤の試行錯誤がよくわかりました。
 他の特集記事では「海外移籍の現実」(文:山内雄司)が、移籍経験者の廣山望(東京ヴェルディ1969)安永聡太郎と、代理人の田邊伸明を通して問題点を浮き彫りにしていておもしろかったです。

 特集以外では個人的に「今井恭司写真館 1985年10月26日 夢の終わりと新たな夢への門出」(文:大住良之)が気になりました。この日はメキシコワールドカップのアジア最終予選での、国立競技場での初戦、木村和司のフリーキックが伝説となった日です。
 「この年(1984年)の9月に日韓定期戦で2−1の勝利を得たことで、事態は急変した。木村和司のFKで先制し、水沼貴史が決勝点。日本代表にとって、ソウルで初めての勝利で、協会はもういちど森(孝慈)に指揮をとらせることを決断した」と、この記事にあります。実は小生が初めて見た代表戦がこの試合で、しかも日本が勝ったので「日本って以外と強いんだな」と思ったのでした。そのときのチームは実際に強く、ついに最終予選の韓国との2試合を迎えたのでした。
 予選の間たびたび木村のFKが決まるのを見ていたので、小生は前記のFKが決まったときも「決まってあたりまえ」と思っていました。むしろその1点よりも、あと1点いかに取るかが気になっていました。
 結局日本はワールドカップに出られず、その後はなぜか弱くなったので、Jリーグの発足までの小生の関心は、毎年の天皇杯の決勝だけになってしまいました。そんなことをこの記事は思い出させてくれました。

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2007年12月 5日 (水)

『Sports Graphic Number』692号

表紙:田中マルクス闘莉王(浦和レッドダイヤモンズ)
特集:Jサッカー特別編集 我らの証。

 野球に続くFinal特集です。といっても事実上、アジアチャンピオンズリーグを獲った浦和特集で、正直ちょっとくどかったです。J1で浦和が優勝すると思ってそうしたのか、商業的にそうしたのか、鹿島の優勝を見越して浦和をやっとこうと思ったのかはわかりませんが。
 ただACLの記事に関しては、浦和サポーターがイラン人に与えた影響についての記事(文:熊崎敬)が印象に残りました。  他には大久保嘉人(ヴィッセル神戸)が変わった、という内容の記事(文:畠山直毅)が、彼の性格が伝わってきておもしろく、また柏レイソルと石崎信弘監督について書いた城島充の記事も、読ませました。

今号の名文
〇「失点したのに、なんで歌ってられるんだ」>隣のイラン人が眉をひそめた。>「俺たちは失点したら、文句だらけで応援なんかやめちまう。どうして日本人は……」>日本人の僕には、彼らを納得させる言葉が見つからない。
 イスファハンでのセパハンvs.浦和レッドダイヤモンズのスタンドにて 文:熊崎敬
○ベテランのカメラマンから興味深い話を聞いた。ダルビッシュの投球フォームをきちんとカメラに収めるのはむずかしいというのだ。>「腕が体の前に出てくるのがほかの投手よりもずっと遅いので、普通の感覚でシャッターを切ると、全然タイミングが合わない」
 ダルビッシュ有(北海道日本ハムファイターズ)について 文:阿部珠樹

今号の名言
〇「わしは常勝軍団なんて作りとうない。だって常に勝ってたら面白くないでしょう。サポーターには叱られるかもしれんけど、たまに勝つから面白い(笑)。
 石崎信弘 文:城島充

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2007年11月19日 (月)

『BICYCLE NAVI』 NOVEMBER'07 (No.27)

表紙:ユースケ・サンタマリア/チネリ スーパーコルサ
特集:ファッションで、自転車はもっと楽しくなる!

 本誌初(自転車業界誌初?)のファッション特集です。見ていて楽しくはあるのですが、参考になるかというと、どうかな?というのが正直な感想でした。商業的には成功したのでしょうか?個人的には、もっとニットジャージを載せてほしかったと思います。

 意外におもしろかったのが、Brief Impressionsのコーナ、今号はキッズバイクの特集でした。名のあるメーカーがそれぞれ子供用を販売していて、特にシュウィンやフェルトのものは、子供でなくても欲しくなります。

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2007年11月13日 (火)

『Sports Graphic Number』691号

表紙:谷繁元信(中日ドラゴンズ)
特集:日本シリーズ完全詳報 竜の戴冠。

 日本選手権は、中日の4勝1敗に終わりました。そのポイントを、プロOBやスポーツライターが指摘しています。
 伊東勤(前西武ライオンズ監督)や江夏豊(元阪神タイガースほか)は、谷繁元信(中日ドラゴンズ捕手)の健闘を挙げ、阿部珠樹は落合博満(中日ドラゴンズ監督)の、過去と異なる早い仕掛けについて書き、永谷脩は中日投手陣の結束とともに、トレイ・ヒルマン(前北海道ニッポンハムファイターズ監督)が選手権終了前にロイヤルズ入団を決めたことへのわだかまりを記していました。

 今号は特集よりも、それ以外の記事のほうがおもしろく感じました。引退する田中幸雄(北海道ニッポンハムファイターズ)への思いを綴った「東京ドームと田中幸雄と。」(文:えのきどいちろう)、橋本清の藤川球児へのインタビュー、佐藤琢磨について書いた「レースって、これだよ!」(文:今宮雅子)などです。

今号の名言
◦「変化球主体だから、握力がなくなると……。でも、いこうと思えばいけたかな……」
 日本選手権第4戦で8回まで無安打で押さえながら交替したことを振りかえって 山井大介(中日ドラゴンズ)文:永谷脩
◦「引退を決めたピッチャーのストレートを打てなくては本当のホームラン王じゃない。最後に村田というすごい打者に打たれたと、子供たちに自慢できるようなバッターになってほしいね」
 本拠地での引退試合でホームランを打たれた村田修一(横浜ベイスターズ)について 佐々岡真司(前広島東洋カープ)文:永谷脩

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2007年10月31日 (水)

『Sports Graphic Number』690号

表紙:ダルビッシュ有(北海道ニッポンハムファイターズ)
特集:クライマックスシリーズ全詳細 決戦燃ゆ。

 プロ野球日本選手権は、中日ドラゴンズの4連勝に終わりましたが、この号はそれ以前のクライマックスシリーズ(CS)についての特集です。小生は年々野球に対する興味が薄れ、CSから日本選手権まで、ニュースさえまともに見なかったのですが、谷繁元信、中田賢一(以上中日ドラゴンズ)、ダルビッシュ有(千葉ロッテマリーンズ)、成瀬義久(千葉ロッテマリーンズ)についてなど、ナンバーの野球特集はこれまで同様、楽しませてくれました。

今号の名言
◦「できれば3つでと思っていた。タイガース戦もおんなじ。2つでと思っていた。うまくはまりましたね」
 日本選手権を前にして 落合博満(中日ドラゴンズ監督)文:阿部珠樹
◦「これだけの大観衆なら、向こうは自分のピッチングができないと思う。でも(札幌ドームに慣れている)自分はできる」
 パシフィックリーグ クライマックスシリーズ第2ステージ第5戦で相手先発投手の成瀬善久を挑発して ダルビッシュ有 文:中村計
◦「誰ひとりミスしたわけじゃないんですよ。投手も、打者も、走者も、野手も責められるようなプレーは誰ひとりやらなかった。でも、ああいう風に明暗が分かれてしまう。ほんと、不思議ですよ」
 '06年パシフィックリーグのプレーオフ第2戦9回裏2死、セカンドゴロで2塁からホームインしたことについて 森本稀哲(北海道日本ハムファイターズ)文:阿部珠樹

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2007年10月24日 (水)

『Sports Graphic Number』689号

表紙:競走馬(タガノアッシュほか)と騎手
特集:日本競馬の逆襲。

 秋の競馬シーズンを前にした特集です。小生はあまり競馬には興味がないのですが、この特集は楽しめました。
 馬インフルエンザの流行と、そのあおりを受けた「ウォッカ」をはじめとする競走馬の海外遠征の中止。ドバイ首長シェイク・モハメドの率いるダーレー・ジャパンの馬主登録。そして前半不調だった武豊。今年これまで起こった主なできごとを、数編の記事でうまくまとめてありました。
 中で興味を引かれたのが「ノーザンファーム 進化する巨大ブリーダー。」(文:島田明宏)。牧場としてどう企業努力するのか、その仕組みがよくわかりました。

今号の名言
◦「冗談のように、ディープインパクトをつけたら何冠ベイビーになるのかな、といった話をすることはあります」
 繁殖牝馬としてのウォッカについて 谷水雄三(カントリー牧場経営者)文:島田明宏

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2007年10月15日 (月)

『旅行人』'07夏号(156号)

表紙:ムラウ遺跡・シュエダゴン寺院
特集:ビルマ東西南北
 前号のネパールに続き、政情不安が続く国の特集です。取材時期がすこしずれていたら、この特集が組めたかどうか。
 まず「ビルマ東西南北」(文:瀬川正仁)。ビルマ社会の現状が、観光スポットとともに語られています。麻薬の出荷に左右される闇の為替相場、上座部仏教とイスラム教、イラワジカワイルカの現状、カジノで賑わう中国国境の街などが紹介されています。
 ほかには馬車、学習塾についての記事も、おもしろく読めました。

 特集以外ではまず「滅びゆく湖アラル海」(文:上野清士)。旧ソ連の綿花地帯を潤したアラル海の水が、干上がる危機に瀕する過程が明らかにされています。

 それから「フンザで弥勒菩薩」宮田珠己久々の登場です。  さらには田中真知「クマおじさんの贈り物」。このひとは自分の身の回りに起きたことを、どうしてこう暖かく書けるのでしょうか?

 ところでこの雑誌は、次号から12月、6月の年2回刊になるそうです。社員を増やしたくないという蔵前仁一編集長の方針だそうです。充実した記事をたまにしか読めなくなるのは残念ですが、今後に期待したいと思います。

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2007年10月 8日 (月)

『Sports Graphic Number』688号

表紙:ルイス・ハミルトン(マクラーレン メルセデス)
特集:F1 HUMAN WARS 闘争白書。

 例年どおり、日本GP前のフォーミュラ1特集です。
 昨年は、最後(かもしれなかった)の鈴鹿と最後のミハエル・シューマッハーが主役でした。今年は30年ぶりの富士スピードウェイ(FISCO)と、驚異の新人ルイス・ハミルトンが主役、のはずですが、それにしてはFISCOの記事の扱いが控えめだったような…。
 今年の日本GPは、ポイントトップのハミルトンが優勝を飾り、2位だったチームメイトのフェルナンド・アロンソがリタイアしたため、ますます差がついてしまいました。
 しかし中国GPでは、ハミルトンがまさかの初リタイア。最終戦ブラジルGPを前にしてハミルトン(107ポイント)フェルナンド・アロンソ(マクラーレン メルセデス・103ポイント)キミ・ライコネン(スクーデリア フェラーリ・100ポイント)の3選手に優勝の可能性が残されています。
 そのハミルトンの生い立ちを著した記事(文:坂野徳隆)をはじめとして、彼と不仲説が絶えないアロンソについて(文:今宮雅子)、かつてM・シューマッハーのチームメイトだったエディ・アーバインへのインタビュー(文:アダム・クーパー)、これまでのF1ドライバーどうしのライバル関係について(文:今宮純)など、非常におもしろく読めました。

 特集以外ではプロテニスプレーヤー、杉山愛についてのナンバーノンフィクションの「太陽の孤独」(文:吉村忠弘)に興味をひかれました。伊達公子が引退した後、日本人のトッププレーヤーとして活躍せざるをえなくなった彼女の苦悩と、それを乗り越えた現在が描写されています。

今号の名言
〇「F1で同じパッケージなら、同レベルのドライバーは皆同じ結果を出せる。黒人だから特別に見られて得をしているし、同時に失敗したら『やはり黒人だから』といわれる。それが頑張る上でいいプレッシャーにもなっているのさ」
 マーティン・ハインズ(英国ZIP KART社長)文:赤井邦彦
○「ミハエルと組むまでは、俺は人間があんなに速く走れるもんだとは思わなかった。あるいは、俺がすごく遅かったってことなのかもしれないけど」
 エディ・アーバイン 文:田邊雅之

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2007年9月24日 (月)

『Sports Graphic Number』687号

表紙:ティエリー・アンリ(FCバルセロナ)
特集:欧州異変。

 欧州チャンピオンズリーグの開幕にともなう特集です。今シーズン移籍をしたティエリー・アンリやフェルナンド・トーレス(リバプールFC)ベルント・シュスター(レアル マドリーC.F.監督)を中心に記事が編集されています。内容はあまりマニアックに走ることなく、有力チームをわかりやすく取りあげていて、好感がもてました。
 特集の最後には中村俊輔(セルティックFC)森本貴幸(カターニャ)高原直泰、稲本潤一(アイントラハト フランクフルト)と、日本人選手も採りあげられています。

今号の名文
◦人々をたのしませるために、選手たちはプレーしているのだ。結果良ければすべてよしという考えに私は与しない。そんなテーゼを、私は一度たりとも信じたことはない。
 文:ヨハン・クライフ(元FCバルセロナ監督)
◦この2人はピッチで結果を出して、もう過去の遺物になりつつある「日本人=商売」という”偏見”にとどめを刺してくれるだろう。
 高原直泰と稲本潤一について 文:木崎伸也
◦単なる時差ボケだけでなく、メダル獲得を語り続ける重圧の中での、移動のストレス―こういったものが、狙った試合での爆発力を、選手たちから奪った印象は、否定できないのである。
 海外を転戦後に世界陸上に挑んだ日本人選手について 文:小川勝

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2007年9月10日 (月)

『Sports Graphic Number』686号

表紙:鈴木啓太(浦和レッドダイヤモンズ)
特集:2010年 代表の旅。

 アジアカップとU-20W杯の結果をうけての、まとめの記事が中心です。読みごたえがあったのは、武智幸徳「強者への道。」鼎談「日本代表、2010への提言。」戸塚啓「サイドを制するのは誰だ。」金子達仁「カナダに見た夢。」福田健二について書いた小宮良之「戦い続けるという覚悟。」あたりでしょうか。
 ほかにはナンバーノンフィクションで、松井秀喜(ニューヨーク ヤンキース)の5打席連続敬遠を採りあげた「怪物の涙。」がおもしろかったです。

今号の名文
◦パスをあちこちに通され、そのリズムを断とうとして足を目一杯使わされ、カバーに遅れたら無理なタックルで止めるしかない……。こういう渦を巻き起こせるのは今のところ、アジアでは日本だけだろう。
 サッカーアジアカップのうち3試合で相手に退場者が出たことについて 文:武智幸徳
◦茶髪で、ちょっぴり太めの目立ちたがり屋。だが、見かけとは裏腹だった。デカモリシは繊細な神経の持ち主であり、困ったことに、いつだって物事を深く考えてしまう。
 森島康仁(セレッソ大阪)について 文:熊崎敬
◦このベスト16は、日本サッカー史上初めて、必然として到達したベスト16でもあった。史上初めて、勝つことを夢ではなく現実の目標としてとらえた集団の成果だった。
 U-20ワールドカップ日本代表について 文:金子達仁

今号の名言
◦「アジアカップは勝つことよりも、どうやってサッカーをするかということの追求が多かったですから。ただ勝つだけではなくて、中身を伴って勝つ、と。じゃあ、今度、勝負に徹するときにどうやるのか、というのはありますね。絶対に出てくるはずなんですよ、負けられない戦いってのが」
 中澤祐二(横浜Fマリノス)文:佐藤岳
◦「日本がベスト8に行ったらみんなが驚くけど、ブラジルがベスト4でも誰も驚かない。日本の場合、グループリーグ3戦全敗でも世界は驚かない」
 後藤健生(スポーツライター)
◦「ぼくは心のどこかで、この敬遠をなんらかの形で世間の人たちに証明しなきゃならないと思ってきました。つまり、甲子園で5回も敬遠されるに足るバッターだったというね。いまでも。その気持ちに変わりはありません。そういう意味で、あの20球のボールは、ぼくにとって、とてつもない大きなエネルギーになりました」
 松井秀喜 文:松下茂典

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2007年8月27日 (月)

『Sports Graphic Number』685号

表紙:田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)
特集:その試合が彼らを変えた 熱球物語。

 「江夏の21球」を思い出してください。あの山際淳司の名作がなぜおもしろかったのか、それは素人ではわからないプロの駆け引きの一瞬一瞬を、作者が取材を通じて解き明かしていったことにあると思います。
 今号の特集はその流れに沿ったNumberらしいものになっていて、好感が持てました。ぜひ他のスポーツでもこういう切り口で臨んでいただきたいものです。ただサッカーのライターは、自分が評論家になったつもりの人が多いから、難しいかもしれませんが。

  ナンバーノンフィクションは、浅沢英の「天才の躓き。」天才体操選手、米田功(徳洲会)が、どのようにつまずき、どのように復活しようとしているのかが浮き彫りにされていて、おもしろく読めました。

今号の名文
〇遠藤のアジアカップでのFKを見ていると、ひとりだけ違うメーカーのメトロノームでリズムを取っているように見えた。長いか短いかは知らないが、ともかく相手GKとは一拍ないし半拍ずれるのだ。
 遠藤保仁(ガンバ大阪)について 文:阿部珠樹

今号の名言
〇「今の自分は、まだ変化球ピッチャーです。本格派って、たぶん真っ直ぐのスピードだけで言われていると思うんですよ。だけど実際には中身が伴っていないんで」
 田中将大 文:矢崎良一
〇「もしぼくがもっと上のレベルをめざすのであれば、内野安打の割合は減らしてゆきたい。クリーンヒットや本塁打の割合を多くして、なおかつ200本を打ちたい。(中略)そういう打者になることが相手にとって脅威だからです」
 青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)文:阿部珠樹
〇「その時、とんでもなくすごいボールが来た。その時のストレートの勢いは、これまで自分が経験した中で3本の指に入るほどだった。気持ちの乗ったときの松坂大輔や、パ・リーグのセーブ記録を作った時の平井正史よりも上だった」
 '06年9月27日、リーグ1位がかかった試合でのダルビッシュ有について 中嶋聡(北海道日本ハムファイターズ)文:永谷脩
〇「天才なんて、くだらないと思います。そういう言葉があるから、僕みたいに勘違いする人間も出てくるんだと思います。>でも、失敗して良かったとも思っています。あのまま、すんなりとシドニーへ行っていたら、もっと大きな勘違いをして、人生、狂っていたような気もしますから」
 米田功 文:浅沢英

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2007年8月20日 (月)

『BICYCLE NAVI』 SEPTEMBER'07 (No.26)

表紙:羽田美智子、東原亜希、浅草キッドほか
特集:あなたの自転車、見せてください!

 ときどきこの雑誌がする有名人、素人ひっくるめての所有車チェックです。今回はこれまでと違った有名人を登場させたり、外国(米、中、伊)で取材したり、バイシクルナビ・カフェなるものを1日開いて関係者を呼んだりと、趣向を凝らしています。特におもしろかったのが、3人の自転車屋さんが語る「真っ当な自転車の買い方、アナタに教えます。」自転車を買いに来る客の傾向がわかります。
 隔月刊化されてから、ネタ不足になるのではという小生の心配をよそに、けっこうおもしろく読めるのは嬉しいかぎりです。次号の特集は「ファッション」だそうで、どうなるのか楽しみです。

 連載で興味深かったのが「疋田智の自転車ズバッ!」テーマは右側通行する自転車です。報道などにより、自転車が車道を走るようになってきたのはよいが、危険な右側通行をする人たちが絶えない、政府などのアピールが必要だ、というのが要旨です。
 小生も街を自転車または徒歩で歩いているときに、平気で右側を走る自転車は危険だと思っていました。去年運転免許の書き換えの際、ビデオ研修を受けた会場に貼ってあった自転車マナー向上ポスターには、5項目ほどの注意事項が書かれていたのですが、左側通行の励行についてはまったく書かれておらず、肝心なことが抜けているな、と小生は心の中でつっこみを入れてしまいました。アピール不足はあきらかで、安全のためにぜひ徹底させてほしいものです。

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2007年8月13日 (月)

『Sports Graphic Number』684号

表紙:中澤佑二(横浜Fマリノス)
特集:日本代表 屈辱のアジア杯 彼らは何を掴んだか。

 アジアカップはイラクがサウジアラビアを破って優勝し、日本は韓国に敗れて4位に終わりました。この結果を受けた記事が今号には掲載されていますが、ワールドカップ予選へ向けての予行として前向きに評価したものもあれば、選手の起用法などを批判したものもありました。ひとつの結果が出たからではありますが、以前のようにオシム礼賛一辺倒ではなくなっていることが、非常に健全に思えます。
 3年前のアジアカップでは、優勝したばっかりに、またその後のコンフェデレーションズカップでブラジル相手に健闘したばっかりに、日本全体が慢心してしまいました。このことを思えば、今回の結果を小生は前向きにとらえるべきだと思います。
 今号の記事内容は、アジアカップの総括と主力選手のインタビュー、大健闘だったU-20日本代表について、反町康治U-22監督のインタビュー、と、前号とちがいすっきりまとまっています。

今号の名文
〇アジアカップ優勝を逃したのは残念だが、ワールドカップへの準備として考えれば有意義なトレーニングができた。課題がはっきりと示されたという意味で、サウジアラビア相手の敗戦もプラスに捉えるしかない。
 文:後藤健生
〇オシムは、この大一番を勝つためにベテランを頼った。彼は就任以来、多くの選手を招集してきたが、アジアカップという真剣勝負の場で、代表の選手層が厚くはなっていないということが明らかになってきた。
 準々決勝のオーストラリア戦を終えて 文:熊崎敬

今号の名言
〇「自分たちのサッカーを封じられたときに必要なのは、個人のアイディア。確かにチームとしての戦い方もある。でも、それプラス個人のスタイルを出すこと。チームのサッカーに縛られすぎて、自分のストロングポイントを出しきれていない選手もいる」
 遠藤保仁(ガンバ大阪)文:寺野典子
〇「日本のサッカーは美しいが、(勝ちきるためには)何かが足りなかった」
 イビチャ・オシム 文:田村修一

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2007年7月27日 (金)

『Sports Graphic Number』683号

表紙:デイビッド・ベッカム(ロサンゼルス ギャラクシー)
特集:世界蹴球最前線。

 ナンバーがチャンピオンズリーグを取りあげたときは、おもしろくないことが多い、と小生はよく書いていますが、今号はその「おもしろくない病」にかかっています。なぜおもしろくないか考えてみました。理由は2つあります。

 特集を「世界蹴球最前線」と銘打つかぎりは、世界のサッカーを取り扱わなければなりません。ところが暦では、南米選手権が佳境、アジアカップは真っ最中で、代表の試合以外はまとめにくい状況です。そこで、まだ予選だけれどそろそろ佳境だしベッカムも復帰したから、ということで欧州選手権を中心に編集したのでしょう。
 しかし「世界」と銘打っている以上、特定の国だけを取りあげるわけにはいかないので、複数の強い国を中心に編集することになります。すると、おのずと焦点がぼやけてきます。こうして何をまとめたのかわかりずらい、おもしろくない特集のできあがり、となります。
 ベッカムの記事ひとつにしても、こぼればなし的な記事がひとつあるだけで、表紙を見て即購入した彼のファンがかわいそうです。

 もうひとつは記事の書きかたです。例えば特定の選手を取りあげる場合、その選手を読者があらかじめ知っているかどうかによって、書きかたが変わると思います。今号の記事でいえば、たとえばベッカムについてこの選手がどんな選手なのか、説明を要する読者は少ないでしょう。
 ではサミール・ナスリー(オランピック ドゥ マルセイユ)について、今現在どれくらいの読者が関心を持っているのでしょう?フランスを取りあげるのに、彼の記事だけで埋めてしまうのは、あきらかに無理があります。タイトルに国をもってくるなら、ポルトガルやブラジルについて書かれた記事が、望ましいように思うのですが。

 小生の知りあいが、ナンバーはサッカー専門誌だと思っていた、と言っていました。この時期、世界各地ではテニス、ゴルフ、自転車ロードレース、ヨットなどで最高峰の大会があり、日本ではアメリカンフットボールの世界選手権があった中、あえてサッカーを特集する必要があったのでしょうか。しかも次号での特集はサッカーのアジアカップなのです。このへん、編集部にはもっと考えてもらいたいものです。

今号の名言
◦「ポルトガル人がみんな代表を誇りに感じ始めている。これでもしポルトガルが大きな大会で優勝でもしたら、スコラーリは神様に祭り上げられることだろう」
 ジョセ・カエターノ(スポーツ紙ア・ボーラ記者)文:竹澤哲
◦「セレソンの監督というのは、問題が起こらない日がない。やることなすこと問題になる。たとえば選手のポジションを変えた。問題になる。ある選手を選ばなかった。問題になる。背番号を決めた。問題になる。何をやっても論争だ」
 ドゥンガ(ブラジル代表監督)文:藤原清美

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2007年7月20日 (金)

『BICYCLE NAVI』 JULY'07 (No.25)

表紙:STORCK ORGANIC
特集:グッドデザインな自転車選び。

 デザインに照準をあわせた今号の特集、まっ先に目がいったのは北川えりのおみ足ひときわ背の高いサッシャでした。思えば毎年ツール・ド・フランス中継のナビゲータを勤める彼が、いままでなぜこの雑誌に登場しなかったのか不思議です。 
 メインは「Bicycle NAVI Good Design Award」と称して、6つのカテゴリー各5台計30台を、前出の2人とコンセプターの坂井直樹、川西啓介編集長の4人で審査しています。
 最も点数が高かったのは、コマ・3スピードという、6インチの究極折りたたみ自転車でした。小生にとっては、カザーティ・リーネア オーロやオペラ・カラヴアッジォの写真は、欲しくなってしまうので目の毒です。
 ほかにも色ごとに自転車を集めてみたり、国別にデザインの傾向を探ってみたり、Bicycle NAVIらしくもあり、かつBRUTUS Casaあたりを読んでいるような気にもさせられる特集でした。

 特集以外では、競輪選手の北津留翼を採りあげた慎武宏の記事が目に留まりました。以前この雑誌の連載で、筆者が北津留を採りあげたときは競輪学校のときで、自分はオリンピックに出場するために競輪学校に入ったと言い、競輪デビューのことについてはほとんど触れようとしていなかったのですが、2年が経ち、アジア大会男子スプリントを制覇した後の現在は、競輪が面白い、と語るようになっていたのが印象に残りました。

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2007年7月14日 (土)

『旅行人』 '07春号(155号)

表紙:グニュウと呼ばれるサリーとチョロを身に着けたネパールの少女
特集:平和が訪れたネパールの首都へ カトマンズの春

 王室での射殺事件とギャネンドラ現国王の直接統治、マオイストの反政府活動など、治安が安定しなかったネパールですが、'06年に国王が議会の復活を宣言し、マオイストも議会に参加、最悪の状態からは立ち直ったようです。ただ今年6月に予定されていた制憲議会選挙が11月に延期され、マオイストがからむ小競りあいが続くなど、なかなか気を許せる状況ではなさそうです。
 そんなネパールにも近代化の波がおし寄せ、環境、住宅、教育、伝統文化などについて、日本やほかの国々が経験してきた問題を抱えているようです。今号の特集はそんな現代のネパールの姿を教えてくれます。

 小特集は、前川健一によるバンコクについてのレポートです。このひとの文章を読んでいつも思うのは、鉄道における種村直樹、スイス旅行についての池田光雅と同じく、確かな知識を背景にした安心感がある反面、自らの意見を主張しすぎる、くだいて言えば説教臭さがただようきらいがあります。読まれるかたはフグでも食べると思って、そのあたりを覚悟のうえご賞味ください。

 ほかには「間違いだらけのツアー選び」。本来ならば個人旅行指向のこの雑誌ではなく、もっと一般的な雑誌の旅行特集などに載せられるべき内容だと思うのですが、あらためてツアーの内幕を確認できてよかったです。

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2007年7月 9日 (月)

『Sports Graphic Number』682号

表紙:イビチャ・オシム(サッカー日本代表監督)
特集:オシムはアジアを制するか。

 すでにサッカーのアジアカップは始まっていますが、それに挑む、イビチャ・オシム監督率いる日本代表の特集号です。アジアカップの注目点がよくわかる内容になっています。
 取材された選手も、中村俊輔(セルティックFC)川口能活(ジュビロ磐田)遠藤保仁(ガンバ大阪)高原直泰(アイントラハト・フランクフルト)阿部勇樹(浦和レッドダイヤモンズ)鈴木啓太(浦和レッドダイヤモンズ)中田浩二(FCバーゼル)そして中山雅史(ジュビロ磐田)とバラエティに富んでいます。
 特に高原がオシムに請われて招請されたこと、今は同い年のチームメイト、阿部と鈴木が高校のころから影響しあっていたことなどは、おもしろく読めました。

今号の名文
◦オシムさんは、よく「水を運ぶ人」という表現を使っていますけど、では運んだ水をどうするのでしょう。飲む? それとも撒きますか? 正解は「家を建てる」なんです。
 ゼムノビッチ・ズドラヴコ(千葉県サッカー協会テクニカルアドバイザー)のことば 文:西部謙司
◦イビチャ・オシム監督のチームには時間がない。準備は十分でない。それでも僕は、どこか楽観的なところがある。過去2大会を知る選手たちがいるのだ。勝ち上がっていくためには何が必要なのかを、彼らがチームに浸透させていくことを期待している。
 アジアカップに臨む日本代表について 文:戸塚啓

今号の名言
◦「かりに現時点で色々なことを言われているとしても、正しい方向へ進んでいると僕は思う。1本の太い軸を植えつけさせている、という気がします」
 いまの日本代表について 川口能活(ジュビロ磐田)文:戸塚啓
◦「同年代だから、阿部は近くを走ってる。アイツの方が少し前を走ってるのが見えてたから、『オレも頑張ろう』って思って走ってた。でも、道は平行してるけど違うコースで、同じ道ではない。そんな感じなんですよね」
 阿部勇樹と自分について 鈴木啓太 文:小齊秀樹
◦「上手い人だったら一発でいいんですよ。質の良い動き、精度の高いプレーで、一発でゴールは取れるんでしょうけど、僕は下手だから、その人に勝つにはどうしたらいいか、上手いディフェンスに勝つには何をすべきかと考えた時に、10本行って10本ダメでも、11本目にいいボールが来るかもしれない。その時に諦めていて、後で『行っていれば良かった』と思いたくないんです」
 中山雅史(ジュビロ磐田)文:吉井妙子

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2007年6月26日 (火)

『Sports Graphic Number』681号

表紙:アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
特集:総合格闘技“PRIDE後”の世界。

 たびたび書いていますが、小生は総合格闘技(MMAと言わなければいけないらしい)に興味がありません。ゆえに特集記事について触れるのは避けたいと思います。

 まずはサッカー日本代表。キリンカップを採りあげた「オシム采配への疑問。」(文:山内雄司)です。イビチャ・オシム監督は「カミカゼシステム」の名の元に、コンディションのよくなかった稲本潤一(アイントラハト・フランクフルト)
、中田浩二(FCバーゼル)をあえてコロンビア戦の前半に起用しました。それがうまくいかないと見ると、後半は羽生直剛(ジェフユナイテッド千葉)、今野泰幸(FC東京)を投入することで選手の動きを活性化させました。
 ここで筆者は、1,稲本、中田をスケープゴートにすることで「走るサッカー」の正当性をアピールした。2,コロンビアのコンディションのよかった前半の、シミュレーションに適した貴重な時間をむだに使った。という2つの点について批判しています。これまで「オシムには批判も必要だ」との論調こそありましたが、ここまで具体的に採りあげた文章は初めて読んだので、おもしろく読めました。

 それからグルノーブル・フット38から大分トリニータに復帰した梅崎司の記事(文:佐藤俊)で、彼が試合に出られなくなった理由が記されています。GMに日本人が就任し、監督やスタッフが入れ替わったのを契機にスターティングメンバーを外されたそうです。その日本人がだれかは、この雑誌の679号を読んでるかたはおわかりのとおりですが、その人物、祖母井秀隆の、監督の選びかたについての記事が、巻末「SCORE CARD」にあったのには笑えました(文:木崎伸也)。

今号の名文
◦プロ転向はおそらく高校3年の秋になる。それまではツアー参加を最低限に抑えるべきではないか。この素材を生かすも殺すもゴルフ界の良識に懸かっている。
 石川遼(杉並学院高校)について 文:雨宮圭吾

今号の名言
◦「ホントは、できるチームやと思うんです。なのに、全体的になんて言うか……、心が弱いんかなぁ。どこかで気が抜ける部分が出てくる。(中略)できないときは、まったくできない。上と下の差が激しすぎて、普通がないんです」
 U-20日本代表について 柏木陽介(サンフレッチェ広島)

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2007年6月14日 (木)