『Sports Graphic Number』685号
表紙:田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)
特集:その試合が彼らを変えた 熱球物語。
「江夏の21球」を思い出してください。あの山際淳司の名作がなぜおもしろかったのか、それは素人ではわからないプロの駆け引きの一瞬一瞬を、作者が取材を通じて解き明かしていったことにあると思います。
今号の特集はその流れに沿ったNumberらしいものになっていて、好感が持てました。ぜひ他のスポーツでもこういう切り口で臨んでいただきたいものです。ただサッカーのライターは、自分が評論家になったつもりの人が多いから、難しいかもしれませんが。
ナンバーノンフィクションは、浅沢英の「天才の躓き。」天才体操選手、米田功(徳洲会)が、どのようにつまずき、どのように復活しようとしているのかが浮き彫りにされていて、おもしろく読めました。
今号の名文
〇遠藤のアジアカップでのFKを見ていると、ひとりだけ違うメーカーのメトロノームでリズムを取っているように見えた。長いか短いかは知らないが、ともかく相手GKとは一拍ないし半拍ずれるのだ。
遠藤保仁(ガンバ大阪)について 文:阿部珠樹
今号の名言
〇「今の自分は、まだ変化球ピッチャーです。本格派って、たぶん真っ直ぐのスピードだけで言われていると思うんですよ。だけど実際には中身が伴っていないんで」
田中将大 文:矢崎良一
〇「もしぼくがもっと上のレベルをめざすのであれば、内野安打の割合は減らしてゆきたい。クリーンヒットや本塁打の割合を多くして、なおかつ200本を打ちたい。(中略)そういう打者になることが相手にとって脅威だからです」
青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)文:阿部珠樹
〇「その時、とんでもなくすごいボールが来た。その時のストレートの勢いは、これまで自分が経験した中で3本の指に入るほどだった。気持ちの乗ったときの松坂大輔や、パ・リーグのセーブ記録を作った時の平井正史よりも上だった」
'06年9月27日、リーグ1位がかかった試合でのダルビッシュ有について 中嶋聡(北海道日本ハムファイターズ)文:永谷脩
〇「天才なんて、くだらないと思います。そういう言葉があるから、僕みたいに勘違いする人間も出てくるんだと思います。>でも、失敗して良かったとも思っています。あのまま、すんなりとシドニーへ行っていたら、もっと大きな勘違いをして、人生、狂っていたような気もしますから」
米田功 文:浅沢英
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