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2007年7月

2007年7月27日 (金)

『Sports Graphic Number』683号

表紙:デイビッド・ベッカム(ロサンゼルス ギャラクシー)
特集:世界蹴球最前線。

 ナンバーがチャンピオンズリーグを取りあげたときは、おもしろくないことが多い、と小生はよく書いていますが、今号はその「おもしろくない病」にかかっています。なぜおもしろくないか考えてみました。理由は2つあります。

 特集を「世界蹴球最前線」と銘打つかぎりは、世界のサッカーを取り扱わなければなりません。ところが暦では、南米選手権が佳境、アジアカップは真っ最中で、代表の試合以外はまとめにくい状況です。そこで、まだ予選だけれどそろそろ佳境だしベッカムも復帰したから、ということで欧州選手権を中心に編集したのでしょう。
 しかし「世界」と銘打っている以上、特定の国だけを取りあげるわけにはいかないので、複数の強い国を中心に編集することになります。すると、おのずと焦点がぼやけてきます。こうして何をまとめたのかわかりずらい、おもしろくない特集のできあがり、となります。
 ベッカムの記事ひとつにしても、こぼればなし的な記事がひとつあるだけで、表紙を見て即購入した彼のファンがかわいそうです。

 もうひとつは記事の書きかたです。例えば特定の選手を取りあげる場合、その選手を読者があらかじめ知っているかどうかによって、書きかたが変わると思います。今号の記事でいえば、たとえばベッカムについてこの選手がどんな選手なのか、説明を要する読者は少ないでしょう。
 ではサミール・ナスリー(オランピック ドゥ マルセイユ)について、今現在どれくらいの読者が関心を持っているのでしょう?フランスを取りあげるのに、彼の記事だけで埋めてしまうのは、あきらかに無理があります。タイトルに国をもってくるなら、ポルトガルやブラジルについて書かれた記事が、望ましいように思うのですが。

 小生の知りあいが、ナンバーはサッカー専門誌だと思っていた、と言っていました。この時期、世界各地ではテニス、ゴルフ、自転車ロードレース、ヨットなどで最高峰の大会があり、日本ではアメリカンフットボールの世界選手権があった中、あえてサッカーを特集する必要があったのでしょうか。しかも次号での特集はサッカーのアジアカップなのです。このへん、編集部にはもっと考えてもらいたいものです。

今号の名言
◦「ポルトガル人がみんな代表を誇りに感じ始めている。これでもしポルトガルが大きな大会で優勝でもしたら、スコラーリは神様に祭り上げられることだろう」
 ジョセ・カエターノ(スポーツ紙ア・ボーラ記者)文:竹澤哲
◦「セレソンの監督というのは、問題が起こらない日がない。やることなすこと問題になる。たとえば選手のポジションを変えた。問題になる。ある選手を選ばなかった。問題になる。背番号を決めた。問題になる。何をやっても論争だ」
 ドゥンガ(ブラジル代表監督)文:藤原清美

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2007年7月20日 (金)

『BICYCLE NAVI』 JULY'07 (No.25)

表紙:STORCK ORGANIC
特集:グッドデザインな自転車選び。

 デザインに照準をあわせた今号の特集、まっ先に目がいったのは北川えりのおみ足ひときわ背の高いサッシャでした。思えば毎年ツール・ド・フランス中継のナビゲータを勤める彼が、いままでなぜこの雑誌に登場しなかったのか不思議です。 
 メインは「Bicycle NAVI Good Design Award」と称して、6つのカテゴリー各5台計30台を、前出の2人とコンセプターの坂井直樹、川西啓介編集長の4人で審査しています。
 最も点数が高かったのは、コマ・3スピードという、6インチの究極折りたたみ自転車でした。小生にとっては、カザーティ・リーネア オーロやオペラ・カラヴアッジォの写真は、欲しくなってしまうので目の毒です。
 ほかにも色ごとに自転車を集めてみたり、国別にデザインの傾向を探ってみたり、Bicycle NAVIらしくもあり、かつBRUTUS Casaあたりを読んでいるような気にもさせられる特集でした。

 特集以外では、競輪選手の北津留翼を採りあげた慎武宏の記事が目に留まりました。以前この雑誌の連載で、筆者が北津留を採りあげたときは競輪学校のときで、自分はオリンピックに出場するために競輪学校に入ったと言い、競輪デビューのことについてはほとんど触れようとしていなかったのですが、2年が経ち、アジア大会男子スプリントを制覇した後の現在は、競輪が面白い、と語るようになっていたのが印象に残りました。

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2007年7月14日 (土)

『旅行人』 '07春号(155号)

表紙:グニュウと呼ばれるサリーとチョロを身に着けたネパールの少女
特集:平和が訪れたネパールの首都へ カトマンズの春

 王室での射殺事件とギャネンドラ現国王の直接統治、マオイストの反政府活動など、治安が安定しなかったネパールですが、'06年に国王が議会の復活を宣言し、マオイストも議会に参加、最悪の状態からは立ち直ったようです。ただ今年6月に予定されていた制憲議会選挙が11月に延期され、マオイストがからむ小競りあいが続くなど、なかなか気を許せる状況ではなさそうです。
 そんなネパールにも近代化の波がおし寄せ、環境、住宅、教育、伝統文化などについて、日本やほかの国々が経験してきた問題を抱えているようです。今号の特集はそんな現代のネパールの姿を教えてくれます。

 小特集は、前川健一によるバンコクについてのレポートです。このひとの文章を読んでいつも思うのは、鉄道における種村直樹、スイス旅行についての池田光雅と同じく、確かな知識を背景にした安心感がある反面、自らの意見を主張しすぎる、くだいて言えば説教臭さがただようきらいがあります。読まれるかたはフグでも食べると思って、そのあたりを覚悟のうえご賞味ください。

 ほかには「間違いだらけのツアー選び」。本来ならば個人旅行指向のこの雑誌ではなく、もっと一般的な雑誌の旅行特集などに載せられるべき内容だと思うのですが、あらためてツアーの内幕を確認できてよかったです。

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2007年7月 9日 (月)

『Sports Graphic Number』682号

表紙:イビチャ・オシム(サッカー日本代表監督)
特集:オシムはアジアを制するか。

 すでにサッカーのアジアカップは始まっていますが、それに挑む、イビチャ・オシム監督率いる日本代表の特集号です。アジアカップの注目点がよくわかる内容になっています。
 取材された選手も、中村俊輔(セルティックFC)川口能活(ジュビロ磐田)遠藤保仁(ガンバ大阪)高原直泰(アイントラハト・フランクフルト)阿部勇樹(浦和レッドダイヤモンズ)鈴木啓太(浦和レッドダイヤモンズ)中田浩二(FCバーゼル)そして中山雅史(ジュビロ磐田)とバラエティに富んでいます。
 特に高原がオシムに請われて招請されたこと、今は同い年のチームメイト、阿部と鈴木が高校のころから影響しあっていたことなどは、おもしろく読めました。

今号の名文
◦オシムさんは、よく「水を運ぶ人」という表現を使っていますけど、では運んだ水をどうするのでしょう。飲む? それとも撒きますか? 正解は「家を建てる」なんです。
 ゼムノビッチ・ズドラヴコ(千葉県サッカー協会テクニカルアドバイザー)のことば 文:西部謙司
◦イビチャ・オシム監督のチームには時間がない。準備は十分でない。それでも僕は、どこか楽観的なところがある。過去2大会を知る選手たちがいるのだ。勝ち上がっていくためには何が必要なのかを、彼らがチームに浸透させていくことを期待している。
 アジアカップに臨む日本代表について 文:戸塚啓

今号の名言
◦「かりに現時点で色々なことを言われているとしても、正しい方向へ進んでいると僕は思う。1本の太い軸を植えつけさせている、という気がします」
 いまの日本代表について 川口能活(ジュビロ磐田)文:戸塚啓
◦「同年代だから、阿部は近くを走ってる。アイツの方が少し前を走ってるのが見えてたから、『オレも頑張ろう』って思って走ってた。でも、道は平行してるけど違うコースで、同じ道ではない。そんな感じなんですよね」
 阿部勇樹と自分について 鈴木啓太 文:小齊秀樹
◦「上手い人だったら一発でいいんですよ。質の良い動き、精度の高いプレーで、一発でゴールは取れるんでしょうけど、僕は下手だから、その人に勝つにはどうしたらいいか、上手いディフェンスに勝つには何をすべきかと考えた時に、10本行って10本ダメでも、11本目にいいボールが来るかもしれない。その時に諦めていて、後で『行っていれば良かった』と思いたくないんです」
 中山雅史(ジュビロ磐田)文:吉井妙子

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2007年7月 6日 (金)

第91回日本陸上競技選手権大会第3日

 長居スタジアムに行ってきました。競技はサッカーではなく陸上競技、行くかどうかはわかりませんが、世界陸上の予行演習を兼ねて、日本選手権を観てきました。ちなみに小生は陸上競技を生で観るのは初めてです。 この日は最終日、すでに為末大(アジアパートナーシップファンド)、末續慎吾(ミズノトラッククラブ)室伏広治(ミズノトラッククラブ)あたりの超メジャー級の選手の種目は終わっていましたが、けっこう楽しめました。

 スタジアムに着いたときには、すでにメインスタンドのむかって左寄り、サッカー風にいえばアウェイ側寄りの座席は、トラック競技のゴールや走り幅跳びの砂場があるためすでにいっぱいでした。そこでメインスタンドのむかって右寄りに座ることにしました。ここだと走り高跳びを正面に観ることができます。
Discus_throw  男子円盤投げ、女子砲丸投げ、男子走り高跳びが始まっていましたが、まず小生の目に入ったのは選手ではなく、円盤投げの扇のあたりを行き来するラジコンの車でした。選手たちが円盤を投げるととともに扇の中に入り、係員が拾い上げた円盤を載せるとすぐに外に出て、扇の要の方向に運んでいきました。  砲丸投げの場合は扇が小さいためかハイテクは使わず、扇の外側に作られたといに、砲丸を転がしていました。

Women_long_jamp  やがて女子走り幅跳びが始まり、車イス1500mを皮切りにトラック競技が始まると、視線を動かすのが忙しくなり、とても円盤投げや砲丸投げまで見る余裕がなくなってきました。そんな中で印象に残った種目といえば、岩水嘉孝(トヨタ自動車)が大差をつけ優勝した男子3000m障害、池田久美子(スズキ)が不調ながらも貫録を見せた女子走り幅跳び(写真右)、A標準記録を持つ朝原宣治(大阪ガス)を差し置いて2連覇を達成した塚原直貴(東海大学)などがあげられます。しかし最もおもしろかったのが女子5000mでした。
Women_5000m  渋井陽子(三井住友海上)弘山晴美(資生堂)などマラソンでも知られた選手が参加したこの種目で、A標準記録保持者の福士加代子(ワコール)が、文字どおりスタートでつまずくハプニングがありましたが、そのとき先頭付近を走っていたワコール(濃いピンク色のユニフォーム)のチームメイト、湯田友美と野田頭美穂がペースを抑えアシストをします。すぐに最後部に追いついた福士は、しばらくすると中位に順位を上げ、やがてトップに立つと、最後は2位に約3秒の差をつけゴール。その強さを見せつけました。

 競技がすべて終わった後に、一部の表彰式が行われました。女子円盤投げでは、いかにも力があります、という体形の2、3位の選手にくらべ、優勝した室伏由佳(ミズノトラッククラブ)のスリムな体形に驚かされました。
 またいつでも明るい福士加代子ともうひとりの選手(おそらく渋井陽子)が、表彰のときにもらったぬいぐるみを観客にほうり投げてから、他の選手も表彰が終了するとみんな投げ入れるようになったのも、ほほえましく思えました。

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2007年7月 1日 (日)

『サッカー批評』35号

表紙:三都主アレサンドロ(レッドブル ザルツブルグ)
特集:オシム改革の未来 サッカーの「日本化」を止めるな

 日本代表監督イビチャ・オシムが、就任する際に語ったのが「日本サッカーの日本化」。このスローガンをテーマに取材された日本サッカー協会(JFA)の人たちは、なかなか豪華でした。会長・川淵三郎、同技術委員長・小野剛、U-22代表監督・反町康治、U-20代表監督・吉田康、U-17代表監督・城福浩、同コーチ(野洲高校監督)・山本佳司と、そうそうたるメンバーです。
 ジーコ前代表監督が選手の育成にほとんど関心を示さなかったのを省みて、JFAは、日本人の資質にあったサッカーを追及し、若年齢からの選手育成に活かそうとしています。オシムのめざすサッカーは、若年齢の指導者にも浸透しているようで、将来の日本サッカーのレベルアップには期待がもてるように感じました。

 特集以外では、連載「Hard After Hard」(文:大泉実成)が磯貝洋光(プロゴルファー)を採りあげた1回目でした。彼を相手にインタビューする筆者のとまどいから、彼が天才と呼ばれたわけが十分伝わってきました。
 それから今号からの連載、サッカー文芸 西村卓朗(大宮アルディージャ)を巡る物語(文:川本梅花)。今回は大学サッカー部の同級生の話でしたが、サッカー界の生存競争をやわらかな雰囲気で表現していておもしろく、今後も楽しみです。

今号の名言
◦「日本代表の魅力が低くなった。と同時に、今の代表は顔ぶれが斬新ではあるけれど、すごく魅力のあるチームではなくて、まだ地道にチームを作っていこういう段階だからね。そこのところで、ファンの関心度が自ずと低くなるのは、やむを得ないことだと思うね」
 日本代表の視聴率や観客数が減少していることについて 川淵三郎 文:宇都宮徹壱
◦「特性と言えるのは、ひとつはクイックネス。振り向いてからよーいドンだったら勝てる。フィジカル的な資質として股関節の柔らかさがある。そして、日本人のほうが勝っているのがミドルパワー。30メートル走って、もう一度30メートル、さらに30メートル走りましょうとなったら、海外の選手は2本目あたりでもう走れませんって言ってしまうけど、日本人は走ることができる」
 日本人の特性について 反町康治 文:山内雄司
◦「いろんな意味で、自分が中途半端してるのがいちばん悪いなと。お金貰いながらだらだらやって、それは「サッカーを愛する」っていう、自分が目指したものに反してるんだよ。それでお金貰えないと思ったからやめただけでね。生活のためだったら多分やってたと思う。(中略)でもそれができない自分がいるわけですよ」
 磯貝洋光 文:大泉実成

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