『Sports Graphic Number』683号
表紙:デイビッド・ベッカム(ロサンゼルス ギャラクシー)
特集:世界蹴球最前線。
ナンバーがチャンピオンズリーグを取りあげたときは、おもしろくないことが多い、と小生はよく書いていますが、今号はその「おもしろくない病」にかかっています。なぜおもしろくないか考えてみました。理由は2つあります。
特集を「世界蹴球最前線」と銘打つかぎりは、世界のサッカーを取り扱わなければなりません。ところが暦では、南米選手権が佳境、アジアカップは真っ最中で、代表の試合以外はまとめにくい状況です。そこで、まだ予選だけれどそろそろ佳境だしベッカムも復帰したから、ということで欧州選手権を中心に編集したのでしょう。
しかし「世界」と銘打っている以上、特定の国だけを取りあげるわけにはいかないので、複数の強い国を中心に編集することになります。すると、おのずと焦点がぼやけてきます。こうして何をまとめたのかわかりずらい、おもしろくない特集のできあがり、となります。
ベッカムの記事ひとつにしても、こぼればなし的な記事がひとつあるだけで、表紙を見て即購入した彼のファンがかわいそうです。
もうひとつは記事の書きかたです。例えば特定の選手を取りあげる場合、その選手を読者があらかじめ知っているかどうかによって、書きかたが変わると思います。今号の記事でいえば、たとえばベッカムについてこの選手がどんな選手なのか、説明を要する読者は少ないでしょう。
ではサミール・ナスリー(オランピック ドゥ マルセイユ)について、今現在どれくらいの読者が関心を持っているのでしょう?フランスを取りあげるのに、彼の記事だけで埋めてしまうのは、あきらかに無理があります。タイトルに国をもってくるなら、ポルトガルやブラジルについて書かれた記事が、望ましいように思うのですが。
小生の知りあいが、ナンバーはサッカー専門誌だと思っていた、と言っていました。この時期、世界各地ではテニス、ゴルフ、自転車ロードレース、ヨットなどで最高峰の大会があり、日本ではアメリカンフットボールの世界選手権があった中、あえてサッカーを特集する必要があったのでしょうか。しかも次号での特集はサッカーのアジアカップなのです。このへん、編集部にはもっと考えてもらいたいものです。
今号の名言
◦「ポルトガル人がみんな代表を誇りに感じ始めている。これでもしポルトガルが大きな大会で優勝でもしたら、スコラーリは神様に祭り上げられることだろう」
ジョセ・カエターノ(スポーツ紙ア・ボーラ記者)文:竹澤哲
◦「セレソンの監督というのは、問題が起こらない日がない。やることなすこと問題になる。たとえば選手のポジションを変えた。問題になる。ある選手を選ばなかった。問題になる。背番号を決めた。問題になる。何をやっても論争だ」
ドゥンガ(ブラジル代表監督)文:藤原清美
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