『Sports Graphic Number』674号
表紙:イチロー(野球・シアトル マリナーズ)
特集:宣戦。永遠の革命者たち
今号は非常に興味深く読めました。このおもしろさは669号以来ですが、そのときの特集も、種目別でなく横断的なテーマでした。以前は逆に横断的なほうがつまらなかった気がするのですが、なぜでしょう?
採りあげられた人物は、シーズン開幕を迎えるイチロー、三浦知良(サッカー・横浜FC)、桑田真澄(野球・ピッツバーグ パイレーツ)のほか、大畑大介(ラグビー・神戸製鋼)谷亮子(柔道・トヨタ自動車)と各種目のトップアスリートばかり。それぞれのスポーツに対する考え方が垣間見られます。
ほかに小特集としてフィギュアスケート世界選手権のプレビュー、参加する5名の日本人が採りあげられています。記事を読んでいて思いだしたのがトリノ五輪直前の'05NHK杯。男子のSPと女子のFSがある日に、浅田真央(中京大中京高)以外の4選手の滑りを生で見ることができたのですが、女子で前日6位だった村主章枝(エイベックス)のこの日の滑りがあまりに神がかっていたために、直後に滑った安藤美姫(トヨタ自動車)は圧倒されたのか前日の4位のままで終わり、中野友加里(早稲田大学)もトリプルアクセルを失敗し、0.18ポイント差で優勝を決めたにもかかわらずすっかりかすんでしまっていました。このときのNHK杯の村主の立場に立ちうるのが浅田真央もしくは金妍兒(キム・ユナ 韓国)なのでしょうが、安藤は肩のけががあるものの昨年よりも調子は上、中野も世界選手権は経験済み。いったいどうなるのか楽しみです。
今号の名文
◦イチローはおもむろに王監督に訊ねた。>「現役時代、選手の時に、自分のためにプレーしていましたか、それともチームのためにプレーしていましたか」(中略)>王監督は即答した。>「オレは自分のためだよ。だって、自分のためにやるからこそ、それがチームのためになるんであって、チームのために、なんていうヤツは言い訳するからね」
文:石田雄太
◦「パパ、どうすんの」>「うん、どうしようかな。アメリカにも挑戦しようかと思っているんだけど……」>「やった方がいいよ、パパ」>この息子の言葉を耳にした瞬間、桑田の心の中に風が吹き抜けたのだという。封印していたはずの、長いこと鍵を掛けっぱなしだったアメリカへの憧れが、外の空気に触れて、息を吹き返したのである。
文:石田雄太
今号の名言
◦「明日は変わっているかもしれないけれど、J1で一年やったら、僕はもう1回海外に行きたいです。もう1回海外でやりたいです。それはどんな田舎でもいい」
三浦知良 文:一志治夫
◦「本当の僕は、人見知りで人づきあいが苦手やし、喋ることも苦手なんで。自分の感情を表現するのがすごく下手くそなんです。メチャメチャ不器用ですよ」
大畑大介 文:高川武将
◦「彼女は目の前に降りかかった試練を含めてすべての経験を、柔道家として成長する糧にできるんです」
谷亮子について 稲田明(帝京大女子柔道部監督)
◦「ホンダは平らな組織であって、最終的に誰かが決めなきゃいけないから決める人がいる。だから社長だけが偉くて、あとの人は全員横並び。(中略)技術を開発していく中では部長よりも現場でものを触って、そのための図面を描いている人が偉い、というのがホンダなんです」
中本修平(ホンダ・レーシングF1チーム シニア・テクニカルディレクター)文:今宮雅子
◦「お客様に自分のベストを見せられたら、それで満足です。メダルは関係ありません」
世界選手権について 金妍兒 文:宇都宮直子
◦「金メダルを取りたいです」
世界選手権について 浅田真央 文:宇都宮直子
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